1. チュチェ朝鮮の基盤構築に最大貢献
金正日総書記の生誕80周年を迎えた朝鮮民主主義人民共和国は自主、自立、自衛の社会主義富強国家への大道をたゆまず前進している。朝鮮は既に「核戦力国家」として盤石の地歩を固めるに至った。不当な国際制裁や危険なコロナ禍にも敢然と立ち向かい、人民大衆第一主義の旗印を高く掲げて自力更生の経済建設に総力を挙げている。幾多の艱難を克服して国家発展の基盤を築き上げた金正日総書記の偉業の数々は今、金正恩総書記・国務委員長によって発展的に受け継がれ、チュチェ朝鮮の未来創造の源泉としての使命を担い続けている。
金正日総書記の第一の功績は、建国の父である金日成主席が創始したチュチェ思想を唯一思想体系として定式化し、最高指導者と党と全人民がー心団結して国家建設に邁進する道を切り開いたことであろう。世界の多くの社会主義国は1990年代初め、冷戦崩壊の衝撃に耐えきれず次々と破綻していった。しかし金日成主席と金正日総書記は党と全人民の揺るぎない結束をさらに固めて朝鮮式社会主義体制を守り切った。あれから三十年が経過した現在、チュチェ思想は金日成・金正日主義へと止揚し、「一心団結」による朝鮮革命を支える理念として一層の輝きを放っている。
2. 金正日愛国主義と「最先端突破」の大勇断
冷戦崩壊期の厳しい試練がなお続いていた94年7月8日、金日成主席が急近された。悲運はそれだけでは終わらなかった。90年代半ばから、朝鮮は洪水や干ばつなど相次ぐ自然災害に見舞われ、農業をはじめすべての産業分野が深刻な危機に陥った。後の2012年7月26日に発表された金正恩総書記の「金正日愛国主義具現に関する談話」によると、金正日総書記は当時、尊父を哀悼する喪に服しながら「食糧が足りずに苦しむ人民を思い…心の中では涙でなく血の涙を流した」という。「以民為天」を座右の銘としていた金正日総書記の苦悩がひしひしと伝わってくる金正恩少年の鮮烈な記憶である。心痛に耐えつつ金正日総書記は国家存亡の危機を国家発展への好機に転換させるために遠大な「強盛国家建設」構想を打ち出した。
構想の中でも特に「知識強国」化の実現に目標を据え、農業、工業、国防、人民生活などすべての分野における先端科学技術の獲得と自力開発に大号令をかけたのである。金正恩総書記は談話の中で次のように追想している。「国にあった金の全部とも言える貴重な資金をCNC (コンピューター数値制御)化に当てたのは、ぴかぴかの他国の機械を買ってくるよりも我が国、わが祖国の力を養ってわが祖国を世界に堂々と押し立てよという総書記の愛国の意思が下した大勇断であり、最上の選択でした」。
90年代のいわゆる「苦難の行軍」時代に断行された「強盛国家建設」構想は、金正恩総書記が後継の最高指導者として登場する2010年代初までに燦然とした成果をもたらし始めた。農業分野における技術的、経営的革新が急速に進み、食糧生産が大幅に向上した。基幹工業分野や人民生活に直結する軽工業分野での自動化が加速した。人工衛星の開発に象徴される先端科学技術、情報技術の発達は経済、産業の現代化とともに国防力の顕著な強化につながった。自力更生を柱とするこの「最先端突破」路線は2022年の今、金正恩総書記の指導下でしっかりと定着し、さらなる進化を遂げつつある。
金正日総書記は激務による過労のために2011年12月17日に逝去された。金正恩総書記は尊父の偉業を偲び、こうも語っている。「総書記は、唱歌『突破せよ最先端を』を聞くたびにCNC化実現のために乗り越えてきた険しい道と心を砕いたことが思い出されて涙を流しもしたが、その涙は真に熱い愛国の涙でした」。
3. 正々堂々の対米チュチェ外交
金正日総書記はチュチェ朝鮮のあるべき姿を、祖国平和統一と尊厳ある国際的地位の確立という長期的な視野からとらえていた。94年夏、金正日総書記は急逝した金日成主席の遺志を継ぎ、対等の立場から朝米直接交渉を大胆かつ果敢に推進した。その結果、威圧的な懲罰路線に終始していたクリントン米政権はついに大幅譲歩に転じ、94年10月21日、朝鮮側の「核計画凍結」と米側の「対朝軽水炉支援や朝米関係正常化への道筋提示」を盛り込んだ朝米基本合意が正式調印された。超大国と正々堂々と対等に渡り合い、「善意には善意で応える」という金正日チュチエ外交の歴史的勝利だった。
金正日総書記は2006年6月に南朝鮮の金大中大統領を首都平壌に招いて首脳会談を行い、平和統一をめざす6.15南北共同宣言を実現させた。続いて同年10月12日にはクリントン米政権との間で朝米両国の敵意解消をうたった「米朝共同コミュニケ」の発表に漕ぎつけた。しかし2001年に登場したブッシュ政権はクリントン前政権時代の朝米基本合意を一方的に破棄し、強硬な敵視政策に反転した。再三にわたる対米警告の後、朝鮮はついに2006年10月、初の核実験に踏み切った。核攻撃も辞さない米国の敵視攻策に対しては「自衛核」で断固抑止、制圧するという 金正日総書記の決意表明だった。
4. 強靭で高邁な精神の継承
金正恩総書記は尊父の遺志を固く守り、核弾頭とその運搬手段である大陸間弾道ミサイルをはじめ自衛目的の各種兵器の高性能化と多様化を加速度的に進めている。朝鮮は今や無敵の自衛強国となり、対米外交·国防の力量をさらに増しつつある。
金正恩総書記は2021年1月の朝鮮労働党第8回大会における報告で、新しい朝米関係の鍵は米国が対朝鮮敵視政策を撤回することにあるとし、「今後も強対強、善対善の原則で米国を相手にする」という党の立場を宣明した。敵の武力脅威は武力を以って制し、善意ある友好には善意で応えつつ、世界の自主化を目指すという金正日総書記の強靭で高邁な精神は金正恩総書記にしっかりと受け継がれ、チュチェ朝鮮の進むべき前途を明るく照らし続けている。(完)